2017/03/19

繊細な優しさは頰に触れる前に溶けてしまう雪みたいだ。人肌の気配を受けて世界から消えていくものだから、気づかない人はいつまでも気づかないまま。

もどかしさを抱えていた少年の右目の隅にきらめいていた星。臆病さに押し負けていた少年の左目に佇んでいる月。

星と月。夜が来れば繊細な優しさの中で繋がっていく。女の子がすやすやと眠るベッドを照らすような、ほんの少しの光が頰の温度に溶けていく。