膝を折り、水を飲んで

夏の連載2018 (7/4〜8/3)

追放と王国

どっちの方が不幸だとか、あるいは、どっちの方が幸福か、なんて、生まれたときからずっと、どうでも良いことだったんだと僕が言えるようになってから、隠れ家で鳴らす音楽は先へ進んでいったように思う。

雨降りの日も、「外に出なさい」と布団を叩きながら全国の母親が叱るような天気の良い日も、駆け込んだ隠れ家の不完全な防音装置に音を吸い込まれながら、君と僕たちで音楽を歌う。

生きていたいと思う。僕らはそのために死ぬための理由を探している。下らない連中のことを心底見下している。やがて夜になると星。今日もまた何かを遠ざけるように一日が終わる。