燃える森と氷河/Defferent Kinds

深く沈んだ夜の中で、変な夢が終わるのを当てもなく待っていた。君もちゃんとそこにいる。青い目と金色の髪と、不機嫌そうな唇の端。

 誰にも言えないでいた湖の奥にあるぼくだけの隠れ家で、過ぎていく四季を過ごしながら、君と何人か子供を作った。男の子も女の子もいて、それぞれが違った性格で、彼らと気の合う森の動物たちが、やがてどこかへ連れ去っていく。僕らは見送ることもしない

 

森の中で見つけた食べログ4.5の木の枝とか、前世がオオカミだった蝉の抜け殻だとか、人魚が足を滑らせたどんぐりだとか、そんなようなぼくだけの宝物を、君はなんの興味もなさそうに、不機嫌に一瞥し、やがてぼくの知らないうちに、ぼくの隠れ家をラッキーストライクのか弱い火で燃やしてしまった。

 君の目は湖そのものみたいだ。君の目に反射して映る燃え上がったぼくの何処かしら大切な部分と、君の目が見るぼくのつまらないあらゆる部分と、君はどちらが好きなのだろう。それともあらゆるぼくに関することは、夏を待つよりずっと前から、無関心の範疇なのだろうか。

 彼女が燃やしたものの中で、ぼくが1番好きだったものはなんだろう。それは彼女よりも好きなものだろうか。

「あたりまえだろう」

 背後で言うのは等身大のぼくだ。不機嫌な唇の端を待つともなく待ちながら、また今日も布団に潜った。全てを受け入れる準備ができていないだけで、紡いだ数瞬を未だ恋しく思ってしまうのが怖くて、また振り出しに戻ったように、君のLINEの返信を待つ。