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できるだけ真っ直ぐなうそ

タルイのブログです

ナイショのはなし

「好きな異性を教えてくれ」

「いきなりなんですか気持ち悪い」

「いいから」

「よくありません消えてください」

「しかしながら現れる。」

「うざ」

「まあそう怒らずに」

「怒ってません冷静です。ところでところでニカイドウさん、異性の選び方は性格か顔か、みたいな話をよく聞きますけれど、その二項は案外繋がっているようにも思うんですよ」

「というと?」

「いわゆる表情筋ってやつがあるじゃないですか。簡単に言ってしまえば、顔を動かす筋肉のことです」

「わかったわかった、つまり人間は顔を見ているようで実は表情筋をみていて、だからこそ、その人の性格を結局は見ていることになる、とか、そういう話か?」

「なんというか80点。」

「そういう話じゃん。」

「ニカイドウさん、それだと正解か不正解かといえば正解ですけれど、十分ではないです、100点ではないです。私は、表情筋それ自体が、その人の顔を変えてしまっていると言いたいんです。ある程度の年月を経て、人生のある程度の紆余曲折を経験していれば、の話ですが」

「それは、そうだな。たまに電車でどうやったらそんなシワができるんだ、って中年の方とかいたりするけれど、あれはきっと、ずっとしかめっ面をする人生を生きてきたからできたものだろうし」

「その通り、でも特に女性っていうのは、その後天的、人間的な癖が出てない若い人の方がいいという面がありますから、一概に表情筋によって変化することで人間の顔は魅力を増していく、とは言えないですけれど、けれど例えば凄くノーマルな顔の人がいて(そんな人は実際にはいないですけれど)その人が人を愛し続けた五年間を送るか、人を嫌い続けた五年間を送るかで顔は全くと言っていいほど違ってくると思います」

「それはまあ、そうだろうな」

「つまるところ、人は考え方次第で顔すら変わっていくし、何より、静止画や遠目から見ているだけではやはりその人のことは何も見えてこないという、至極ありきたりな話なんですが」

「なんですが?」

「ニカイドウさん、私は偉そうに顎を出す人がきらいです」

「これまた大きく出たね」

「誰とは言いませんが」

「言わない方がいい、君はまだ学校生活が残っているし、そういう人は本当に怒ってしまうから」

「私は思うんですが、「偉そうにしていればしている人ほど自分に自信がない」というのは、なんというかこれはもう「やめられない+止まらない=かっぱえびせん」くらいの世界の基本的な図式じゃありませんか?」

「その例えはよくわからないけれど、まあ、そうだったりするな」

「かくなるわたしも、お恥ずかしい話自分に自信がないので、結構偉そうにする節があります。ニカイドウさん、あなたもです」

「否定できないな。結構そういうところがある僕も。あれだろ?講義で当てられて知ったかぶってしまったりとかするやつ」

「そして教授に掘り下げられて、答えられずに顔を赤くする」

「そうそう」

「うわぁ…ニカイドウさん、恥ずかしいですねえ〜…」

「やめろよ」

「まあそれはいいんです。アリスとテレサも言っていましたが、無知の知というやつです。もっともこの場合は、自尊心の知、ですが」

「アリスとテレサはそんな名言を残してない。アリストテレスな。」

「「無知の知」の提唱者はソクラテスですけどね」

「普通にこりゃ一本取られたよ」

「私は人間の美的感覚に基づいてマイナスと判断されるような顔の変化が起こる場合、それはその人が自分の欠点(最も、偉そうにすることが欠点だともまた一概には言えないのかもしれませんが)に気付かずにやり「過ぎて」しまった場合、だと思うんです」

「なるほど?」

「あごが出てくるというのは、マイナスですよね」

「ま、まあな。それは色々とやばい意見だとは思うけれど、まあ、基本的には」

「偉そうにしている自分を無知なままで生きていく人は往々にして顎が出てくるはずです」

「すごいこと言ってるぞお前、叩かれるぞ」

「いや、もう私とニカイドウさんかれこれ1500文字くらい喋ってますんで、ここまで読んでる人なんていないと思います。いいですか、これはひどく身勝手な発言なので、誰に向けてでもありません。ただ、往々にしてそうなのかもしれない、というだけの話です」

「まあ、思い当たる節がないわけでもない」

「最低ですねニカイドウさん」

「いや、これはもう余談だけれどさ、僕らはまだある程度自尊心にしがみつかなければならない程度に弱くて自信がない人間なことには間違いなくて、だからこそ、そういった、自己の自尊心に無自覚な人の無神経な発言に、ひどく怒ってしまったり、傷ついてしまったりするよな」

「そういうことです。だからこんな駄文をだらだらと書かせているわけです」

「書かせている?!誰に」

「知らなかったんですか?私たちの世界って、書かれた世界なんですよ」

無知の知ってのは難しいな」

「はい、本当に。」

「ところで一番最初の話に戻るけれど、結局お前は誰が好きなんだ?」

「ああ、それはもう、ナイショのはなしです」

「お後がよろしいようで」