コウモリかモグラ

 朝になると危ないから外に出ないほうがいい、とパパは言った。

 子供ながらに他の誰かと遊べないことを変に思ったけれど、とても逆らう気なんて起こらなかった。

 言ってしまえばどんなこともどうでいいように思えたし、よくよく考えれば、友達に価値があるとも思えなかった。僕らは終生共感することなどなくて、手を取り合うこともできずに、きっと、何も変えられずに死んでいくのだから。

 

 まぶたの重さに耐えれるほど物心のついた頃、涙を流していたはずの映画も退屈なものに成り変わってしまって、ついに朝の街へ出た。自分の身は自分で守れると思ったし、パパはついこの間土に還ったから、特に気にすることもなかった。

 驚いたことに外はやけに騒がしくて、好きだった公園に逃げるように駆け込む。其処では親たちが幸福を持ち寄り、まるで罪人をみるような目つきで僕を襲った。黄色いイチョウが隙間なく地面を埋めていて、今更のように季節が秋になったことを知る。

 

 太陽という惑星が生きるための希望を押し付けているように思えた。100均で盗んだサングラスをかけると、全てが夜になって意味を失う。幸福は多数決で決められた宗教みたいで、夜よりもずっと、居心地が悪い。