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タルイのはてなブログ

タルイのブログです

荒北君1

荒北君は基本的に、クラスの人たちのことが全く好きではありませんでした。

特に嫌いなのが、集団でつるんでいる男子と声の高い女子でした。つるんでいる男子は、荒北君には、誰も彼も1人の人間であることを放棄しているように見えるのです。

お前ら、元気そうに騒いでいるけれど、正直、死んでますから。人間やめてますから。

荒北君は彼らに「地獄、地獄、地獄」と全力の怨念を込めて唱えます。しかし彼らは日に日に勢力を増して、まるで太陽のように教室内で輝きを増していくのです。まったくもう、ほんともう、地獄、地獄、地獄。

それを助長するうるさい女子のうるさいこと。彼女らはイケメンと悪口しか興味がないのでしょう。荒北君は彼女らにもまた「地獄、地獄、地獄」と全力の怨念を込めて唱えます。ただし、顔がとびきりタイプな女の子とたまに話しかけてくれる優しい生徒会長に対してだけは「うーーん、控えめな地獄♡」と優しくとなえます。

 

いつまで僕はこんな場所でサルと一緒にいなければならないのだろう。

荒北君は退屈そうに欠伸をしながら、何の気なしに「エロ画像 巨乳 眼鏡」と検索し、教室でエロ画像という最高にスリリングな状況においてもまったく勃起しないような不屈の精神力を得ようとしました。

「君は世界一タフな15歳になるんだ」もう1人の自分の声が聞こえます。

荒北君はぼうっと流動性に満ちた豊満ボディの裸体を眺めながら、早くもう一歩先へ、と、そればかりを考えます。すると何か世界的な争いに屈したように股間は僅かに反応し

「君はまだ未熟だね」ともう1人の自分の声が。

 

荒北君が深くため息をつくと、生徒会長が心配そうにこちらを見ています。

「そかそか、ふーーむぅ、やはり、芸術のための芸術が独り歩きしているな…!」

前髪を弄りながら荒北君が「いいこえ」でそう呟くと、生徒会長は呆れたような笑い顔を見せるのでした。

 

つづく