フクラム国

タルイのブログです

Sunset

忘れられていた公園のブランコを揺らしながら「この世界はもう」と笑う少女の横で、頰を泥で汚した少年は「もし自分が」と、魔法のような虚構の切れ端を考えている。

夕暮れ時に一瞬間訪れた赤紫の空の下で、「ここには何もないね」と笑いながら、それでも二人は離れずに、不確かな安堵で夜を迎える。

「恋を知らない」という前に「これが愛か」と探し当てる前に、ただ誰かのことを想うだけで「この時代のこの場所で生まれてよかったのかもしれない」と思えるのだろうか。

夕暮れ時が夜に引きずられるようにして、白く透き通った月が温度を持っていく。「生きている」やがて少女が無意識に呟く。そんな夕暮れの中で、二人きりでブランコを揺らす。

物語のような夜がくる。