雄弁な社会

世の中には自慰行為が溢れている。

身を剥き出しにした承認欲求と往往にして肩を組み、様々な美辞麗句を並べて作り上げる一時的な絶頂と、先行きも価値もない快楽と。

集団における自慰行為はタチが悪い。

僕らはリーダーを名乗ってイベント全体主義を掲げる下半身を敏感にした男のもとで、幾ら何を足掻こうとそんなことは御構い無しに、快感を与える道具として恥部に擦りつけられるのだ。

家を出て何かを求めたことのない精神的な童貞が蔓延るこの空間に、偽物ばかりがたむろしてお喋りな喘ぎ声をあげる。

 

下種びた精子の匂いが其処彼処に立ち込めている。

偽物ばかりを詰め込んで機能するこの社会で、何も語らなくて良い、深く確かな海へと続く場所は無い。

まだ弱いこの体には、この場所で息をすることしか許されないのだ。

焦らずに、今日もまた口を閉ざして、軽蔑も嫌悪も超えた無関心の中を、ただ、ただ一歩ずつ、弱さからはぐれないように。