島国のひろがり

 空と言われれば、やはり育った街のものを思い浮かべる。

 僕にとってそれは

 電線とデパートに視界を阻まれた僅かな背景

 

 空が綺麗だなんて

 ありふれたことのようだけれど

 確かに狭い狭い夕空は、今日も感動を生んだ

 

 あの空は、果たしてどんな風に広がっているのだろうか

 妄想が駆けていく。アスファルトの上を、人々の流れをとんと無視して。

 もしかしたらこの世界のどこかには

 常識を超える何かが……

 

 小さな島国にいる僕らは

 海の向こうはどんな風になっているのだろうと

 ここにない何かがあるかもしれないという、僅かな妄想の中で

 こんなにも、豊かで繊細な想像を

 異性にまでもただぼんやりと、

 今日も膨らませているのだろうか

 

 だから秋は寂しくなるのだ。

 だから今日も、こうして……