フクラム国

タルイのブログです

色彩は女の子と

 君といると、世界はいつだって、カラフルに見えた。

 大げさな表現ではない。

 色づく。

 まるで生きているみたいだった。建物も、道行く人も、工事現場も表札も。

 

 僕は君のことを今でも思い出しながら、こうして文章を書いている。

 多分、どんな文章を書こうにも、君は僕の中のどこかにいて、何かを記すたびに押される数多のボタンのうちどこかを担当していることだろう。

 ありがとう。君が作った僕は、今の所何も持ってはいないのだけれど、どうにか死ぬ前に何かを残そうと思えているよ。

 

 今日もこの目には、あの日ほどにはカラフルに見えない都会が映る。

 何が見えていたんだっけ。

 君が知っている優しさと、わがままと、恋心と。

 僕の知っている世界と。

 折り重なって、端っこが滲んで。

 淡く、そんな風に溶けていけたなら

 今が何度目の今日なのかなんて

 どうでもよくなっていたのだろうか