フクラム国

タルイのブログです

Section5 景色 諦観 最後の信頼(1)

1.

 自転車を飛ばした先にある夜は、確かに、ここで見るものとは違うのだろう。どこへだって、僕らは多分、行くことができるのだ。何も持っていないということを、知ってさえいれば。

 何が僕の人生を苦しめて、何が僕のために苦しんでいるのか、想像するだけ仕方がないのかもしれないね。

 どこへだって行けると、そういってくれる歌があって、そういってどこかへいってしまった物語があって、僕はこの場所に佇みながら、いつだって何処かへ生きたいと願いながら、どこかへ向けてこうして何かを書いている。

 知らない街の景色がいつも、窓に映っては消えていく。

 大好きだったものが遠ざかっていくように、知らなかったものに手が届く瞬間、ほんの少しだけ苦しくなる。もうその嘘はつけなくなってしまうから。

 僕と、知らない街へいこう。