線で繋がる2分間

 僕はある程度器用にものをこなすことができて、だからいつも、何かとごまかして生きてこれたし、大概のことはそれなりの成果を上げることができた。

 でもそれって、果てしなく不器用だ。

 だから多分、言葉に行き着いたんだと思う。

 それは誰でも持っていて、不器用な奴だって発することができて、それでいて、賢くなるための道具にさえしなければ自分だけの形が見えるもの。

 僕はまだ小説を書けない。ある程度器用に書ききってしまうかもしれないけれど、そうやって作ったものは多分、僕の言葉じゃない。

 

 まだ世界中の誰にも見られなくていい。もし見てくれるなら貴方にだけはこうして見せます。

 大切なことは、僕の居場所が音楽で絵画でもなく、この文字の世界にあること。そして僕が自分を持ちながら作ることの出来る言葉は、まだ僅かだということだ。

 でもそれを作ることだけが、僕を、この世界で生かしているという

 

  僕は書くよ。僕だけのやり方で。精一杯の不器用で他人とすれ違うよ。

  君とまたすれ違うために、僕は書くんだ。