総武線

 久しぶりに各駅停車に揺られながら分厚めの本と向かい合い、少し疲れたらぼんやりと流れ来る景色を眺める、なんて、そんな柔らかい毎日が訪れた。

 

神経を落ち着かせるのが恐らく人より下手で、それは心配性と言えばそれまでかもしれないけれど、大事なものが目前に迫って来れば、いつだって読書が1番最初に犠牲になって、毎日は効率を押し込めるようになっていった。また本を読める日が帰ってくるのを、いつも心待ちにしながらただひたすらに最善手を模索して、その大事なものに備える。まるで機械みたいだ。

 

本は僕のまるで知らない世界で、虚構を作り上げながら、僕を黙って待っていてくれる。

緩やかな時間の流れに、数えきれない感情が渦巻く毎日が帰ってきたことに、今はただ、静かに感謝している。