Portal 6-2 Good Shoes

ゴルゴダの丘

 今日もそこは美しかった。一面の空は、あの日みたものより幾らか狭いように感じたけれど、やはり流星は僕らを暖かく迎えて、ひまわりも金色に輝き、そしてあの日四人だった僕らは、今ではもう、二人になっていた。

「どうしてだろうな」イワンが言う。彼は無感情に問いかける。そういう時、彼は自分で答えに気がついて、それを表す言葉を探しあぐねているがばかりに、僕に聞いてくるのだった。

「現実が押し寄せてきてるんだよ」

「うん。なんでこんなに、あっさりと、消えてしまうんだろう。あまりにも、現実との距離感が近すぎる」

「そうだね」

イワンが星空に感じている喪失感に似た痛みは、おそらく僕とある程度共有しているもので。

 

「イワンはさ、リリーのこと好きだったの?」イワンは「くくっ」と、どこかしら楽しそうに笑う。

「お前、それを聞くか。」

「ごめん」

「…どうなんだろうな。好きというより、初めて自分みたいな人間にあった気がした」

「似た者同士だったものね」

「わかるか?」

「うん。どっちもよく歌を歌ってて、独り言が好きで、でも人と喋るのは大の苦手で」

「うるさいな」

「ははっ」

 

「なあ、どうも僕らの街は、壊れていくらしいな」

 

「うん。」

 

 

幸せはいつでも半音下りだ

 

彼はそう歌って、丘に大の字に転がっていった。

僕もそれに続くと、彼と二人でいる夜に、まるで一人の夜みたいな冷たさを感じていた。……