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L'après-midi d'un faune

タルイのブログです

Portal 3-4 Freud

5.

 日が変わって時間が経った後、老人を揺り起こす少年の影があった。

「死んだんじゃないだろうな」

痩せた体躯は不器用にしなびている。

「おい、オジジ、オジジ」

返事はない。

「死んだのか」

そう呟くと同時に、ゆっくりと老人は起き上がった。

「お前、殺ったのか」

「……碁、やろうよ」

 

 今度はオジジが白で、ヒューイは黒だった。

 

タン……

「ボクはこの街を出るよ。」

タン

「出てどうする」

タン…

「知らない。でも、もうこの街は、終わりだ」

タン……

 

タン…

 

タン…

「あまりにも無慈悲だ」

タン…

 

「お前にも、聞こえるか。」

タン…

 

「うん。聞こえる。」

 

タン…

「均衡が、壊れていく音がする」

 

タン…

 

「なんで壊れてしまうのだろうか」

 

タン…

「分からないねえ」

タン……

 

 

「駅まで来てくれないか」

「お前、血の匂いがプンプンするよ」

 

タン…

「なあ、頼むよ。」

タン……

「お前にこの街は合いすぎたんだ」

 

タン……

 「…ワシはすぐに此処で死ぬ。」老人は後に続く言葉を飲み込んだ。“この街と一緒に”

 

タン……

 

 

 

タン……

 

 

 

 

 

「よし。ボクの勝ち」

 

(続)