Portal 2-4 Kite

4.

小鳥を飼っていたことがある

まだ小さい頃に。ううん、今君が思い描いたよりは、ほんの少しだけ大きくなったとき

鳥かごの中でとぼけていた

男の子みたいに

 

夏が好き

多分どんな季節よりも

外にいることを、みんなが許してくれるから

みんなって?

君以外のみんなのことだよ

 

独り言が好きなの

多分何よりも好き

機嫌のいい時なんてずっとしゃべってる

誰かに届けたいわけでもないけれど

自分に聞かせたいのかな

私の中の世界のこと

 

小鳥を飼っていたことがある

鳥かごの中に

その頃は私も家から出ることができなくて

そう。今君の思ったくらいの頃

 

ミルクをテーブルの上にこぼして、おもちゃをその上で走らせていた

金魚鉢に沢山のビー玉を入れた

いっぱい風船をつくって割った

一つ残らず、その日のうちに

リリー、私は多分、自分に恋をしている

 

5.

 絵筆を休めた彼女は空の一点を見ていた。

 トンビだ。ぐるぐると、舞っている。青空の隅の方で、まるで小鳥を待っているかのように。

 そう、君は鳥になりたいんだろう。だけど君は空を飛んだことがまだない。鳥かごの中の小鳥みたいに、君はずっと自分の物語の中にとどまっている。

 結局僕らは、自分に恋をしているんだ。

 

 トンビを追う彼女の目にも、やはり太陽は反射していて、彼女は夏そのものみたいに見えた。

 

(続)