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タルイのはてなブログ

タルイのブログです

白鯨は空へと続く

 一週間、それなりに大事なことが立て続けに起こった。大切なものを手にしたかと思うと隠してきた矮小な僕を屑だと断罪する人が現れ、そして大切な人がいなくなって傷を舐め合う優しさに不確かな弱さを感じて。

 半分近くの講義を休みながら、それでも手にしたせっかくのプロットを生かそうと、どうにかこの物語を記そうと過ごしてきたけれど、僕の毎日が音を立てて崩れ去っていくのには内側の部分が全く耐えきれないようで、強がることもできずに、みすみす冷静さを失っていった。

 優しさはどうやら愛につながる技術のようだ。僕の手法であってそれは真理の周縁にある。そして愛は調和へと向かう。矛盾を孕んだ調和。その矛盾に、人間が描くべき答えがある。だからこそ僕らは性行為をするのだし、だからこそ僕らは人間として命をつないでいけるらしい。

 

 たくさんの事に気付いて喜んで苦しんだ毎日を表現者として当たり前だとある意味いい気になっていたのだろうか。僕の変化に恋人は戸惑った。それは僕が生まれ変わるからだろうか。それとも僕が見えなくなっていくからだろうか。

 

 なんにせよ、今はまだだという答えだけがなんども立ち現れてくる。暗闇を歩くにはあまりに若く、物語を描き切るのはあまりに幼く、あまりに未熟な自分の中の、欲望だけが膨らんでいく。今しか書けないものを書かなければならないという義務感。

 淡々と、冷静に、どうかこの一年が終わって欲しい。大切な本を読み、大切な基礎を積み上げて、あの年があったからこうしてずっと表現を続けられると言えるような、そんな年になってくれ。事あるごとに、あまりに若い欲望が夜へ誘ってくる。

 表現欲を乗り越えるために毎日をやり過ごす。極端に擬似的な、自慰行為を伴ってでも、どうにかして、不釣り合いな欲望と実力を客観的に鑑みなければならない。