物語のための幾つかのスケッチ1

 冷えた目をした少年がゆらゆらと舞っている。儀式は佳境を迎えていた。

 真実とはあてのない規定だ。秩序も、生活も、思想も、すべてそのあてのない真実を基準に相対的に成り立っている。この村の真実もまた、この村を作り続けた一つのあてのない虚ろいである。それに従って、冷めた目の少年は踊り続けている。身長は150前後だろう。全身の未発達な筋肉を流動させて、空気を厳かに切り裂いていく。その姿は一つの「双生性」を持っているようで、まるで神に近づくために自らの男根を剥いでいるような、刃物状の美しさがあった。自らがこの街の住民でないと知りながら、その美しさには何かしら僕の知る刹那性があるような気がして、遠くからぼんやりとその風景を眺めている一対の眼に映る感慨。炎に晒されて少年の顔が時折はっきりと見える。村人たちが見守るその凛々しさの中に、人知れぬ虚無感だけが隆盛しては消えていく…