僕とはちがう私のかたち:朝

本来動いているものから、すっかり離れてしまった自分を、ひそひそ合わせていくような、ゆったりとした時間が流れる、まるで夕方の散歩みたいな日曜日です。 今までとは全く違うものをエンジンにしなければ、何も始められない、と感じます。それはもしかした…

「そとがわ」の産毛に手を掠めている

彼女は余白を信じている。屹立する木々の間、木漏れ日を小麦色の頰に受けて時期を伺いながら。我々はそれを、少し卑しげに認めている。 夜明け時、小鳥や栗鼠などの小動物がなにやら慌ただしく辺りへ四散していく。広がるのは茫漠とした不安。対して彼女は新…

今年の猛暑度合い

度重なる猛暑でタケルの家の犬が溶けて、ぶよぶよとした犬になったらしくって、まるでサチィみたいじゃないかって笑いとばしてみたんだけど、ふと見れば僕の髪の毛も溶け始めていて、あっという間にハゲ頭になっちまったわけ。 そしたら中学生の頃から連絡と…

2017/03/19

繊細な優しさは頰に触れる前に溶けてしまう雪みたいだ。人肌の気配を受けて世界から消えていくものだから、気づかない人はいつまでも気づかないまま。 もどかしさを抱えていた少年の右目の隅にきらめいていた星。臆病さに押し負けていた少年の左目に佇んでい…

メモ

ずっと思い描いている美しい世界だけを好きでいたいと思う瞬間が多々あるのに、書いていたいと思うのに、それだけで終わらないから、これからの僕が、今まで以上に本を読んだり、音楽を聴いたりしながら、沢山の世界を目にするように生きることになるのでは…

The Apostle

窓から抜け出して夜を歩く。ゆるされた外出時間だけじゃあ物足りないわたしの生活 はじまりはいつだってわくわくより、何もないきもちの中にあって、気づけば変わっていく景色だけがだんだんと、色づいていく、「かもしれない」未来を可愛らしく形作っていく…

(ever)lightgreen

わたしは誰かほかの人間であったりだとか、何か大きな仕組みだとかと手を取り合って、あるいはよいしょしてもらったりして、健やかな毎日を過ごしていける。そういうことはもうなんとなくわかる。わたしは、ひとりで生きていける、と言えるほど強くないし、…

暑さにおかしくなったのか、ひょんな言葉や、音楽や文字や気遣いに助けられるようにして、どうにか寝不足に冒されふらふらになりつつも帰り道を辿るような日。生産的なこと、なんだそれ?って本気でかしげるほど相当に頭が悪いもんで、夜中じゅうひたすらに…

憂鬱には良いものと悪いものがあるというが、まさに悪い方のそれが今日一日覆い尽くすように街中の熱気と混ざって大変な具合である。 尾崎豊が"Freeze Moon"という曲ではち切れるくらいの声で「きっと何もかもが違う 何もかもが違う」と言い続ける一節があっ…

アラベスク

独裁的な熱気の中で、ずっと耳元からドビュッシーを聴いている。遠のいていく、彷徨っていく、元いた場所にいつのまにか戻りながら、行きつ戻りつ毎日がすぎる。ジャンケレヴィッチだったか、「ドビュッシーは深淵に落ちていく」といい、その上で「深淵には…

へんな感じ

私が捉えていたはずの、「わたしらしさ」みたいなものが、ズレていくでも、遠くなっていくでもなく、どうでもいいものになって、薄れていく。大人になっていくということが、とんでもなく不愉快なものだと思っていた私には、こんな風に、世界全部が「わたし…

ウェス・モンゴメリーを聴いていた頃

「君が住むこの街にある、"生きやすさ"という満足は、きっと何物にも代えられないほど心地よいものなんだと思う。それなりに真実味のある苦労があって、それと引き換えに得ることのできる自由時間だって真実味がある。私の言っていることはわかる?」「わか…

少しだけ、うごく

何日か、たてつづけに頭と体をいろんなことに利用していたものだから、布団からでられなくなった。重力は体を縦にはさせないで、枕に顔をうずめたまま、時折ごろんと転がったりするばかりの一日をすごす。 起きているつもりでも、目を閉じていると、隙間に入…

構築の外

忘れていたのは微かな、しかしそれだけに確かだった、私たちの前に身構えている構築の外、虚の先にある、無。「無がある」。言葉遊びはこれだけにして、感じとれるのはやはり僅かな… 揺り動かすことをやめる。まだ、どこかに向かっていたつもりだったけれど…

ゴードンさんと谷の底

「谷の底に大切な歯車を落とした」依頼人の話を要約すると、どうやらそういうことらしい。なるほど、引き受けましょう。ゴードンさんは依頼人と握手をする。 どうするんですか、僕が聞くと、当たり前のような顔をして どうするって、そりゃあ、取りに行くん…

明け方の鳥の声

サッカー・ワールドカップというものをかつてないくらいに観た。 勿論、日本の試合は特にすごくきちんと観た(椅子に座って、コーヒーを片手に、時折天に幸運を祈りながら、観た。)。 決勝トーナメントのベルギー戦は、素人目に見てもとってもいい試合だった…

太陽は、少し

真夏の太陽は、少しまぶしすぎると彼が諦め混じりに言うものだから、本当だねと笑う隙間もなくて、ただ受け流しながら大きな公園を抜ける。その先にある学校、見知った人たちがまばらに行き交う私たちの居場所へ帰っていく。 「いつかは、想像を超える日が待…

羽ばたき

日ごとに二度、白く淡い光が立ち昇って、やんわりと散らばって消える。薄暗い病室の窓から見えるそれを「羽ばたき」と名付けたのは、読んでいた本の一ページの所為でもあり、同じくらいに、身を浸透するセンチメンタルの所為でもあるようだった。 こじんまり…

十五、十六

よく夢を見た。得体の分からない影に追われ逃げた先には教室があって、同級生たちが入ってきた僕をひたすら笑うという夢。「お前らには分からないかもしれないけれど」そんな常套句が意味を成さないのは知っているけれど、それでも彼らのふざけた笑い声だけ…

なんとなくの寂しさが夜に向かう

クラス委員の少年は文化祭のアンケート用紙を回収しながらも、彼女の机の上に置かれたCampusノートの、筆圧が濃すぎてページがガタガタとしている様を認める。表紙には丁寧に過ぎるような"English"の文字。 クラス・ルームを賑わす前髪ひと束をピンクに染め…

L・O・V・E 投・げ KISS

最近は西荻窪のクレープ屋によくいく。フランス語の新しい参考書を買ったし、犬を見ても前ほどに怖がらなくなった。加えて最近のぼくは随分と、キャンディーズに参ってしまっているらしい。どうやら生まれる時代を間違えたみたいだ。なんて、高校生の頃にこ…

そして、時がたつ

崖の端の方に立って、すぐにでもその場所から、自由になれる瞬間を思う。 強く吹く風に押されながら、歯止めるものは何もなく、ただひたすらに、今か今かと、豊かな血潮は体を回る。 もう戻れないかもしれない。それでもジリジリ焦げ付く太陽のもと、光をめ…

影のようにいつだって

どうもぼくの両親は台湾で出会ったらしい。これから少しずつ聞いていければと思ってはいるけれど、詳しいことはしらない。けれどなんだかそういう出会い方をしている二人がいたというただそれだけの理由で、少し安心してしまう自分がいる。 少なくとも、この…

時代に応じた共感装置

初めて映画館で観た映画は「千と千尋の神隠し」だった、と同世代の人々に話すと、驚くほどに「自分も」という回答が多い。 「自分も」という共感を得ることは他にも沢山あって、例えば、多くの、本当に多くの男の子が小学生の頃、「ベイブレード」を買い、「…

はじまりの自由、むかんしんな終わり

最近は、といっても昔と何も変わっちゃないんだけど、拍車をかけるみたいに書かれた言葉を読んでばかりいる。どうも文字と文字とのつながりを感じるのが、偏屈なくらい好きで好きで、ちょっとこんなにも好きって人は、簡単にはいないんじゃないってくらいに…

思い出ばかりがうつくしくて

この街に落ちている寂しさを誰かのせいにしてばかりだったけれど、綺麗な景色の写真だって、思い描いていたような不規則な毎日だって、それなりに手に入れられたような、と彼女はなんとなく思う。 「これからについて、考えるのはいいけれど」と隣で何かを振…

雑記@

久しぶりにおスーツを着る。おスーツを着ると色々といつもと違うことが起こる・首がしまる:かぶれたりする。さいあく。・靴づれが気になる:固い革靴がくるぶしにあたる。歩くのがいやになる。・街を歩くとちょっと格好つける:涼しげな顔をしたくなる自分…

雑記。

学校へ行くとちゅう、たまたま読んでいた小説に 「長い時間をかけてハッタリだけの人間は淘汰されていく。」 と書いてあって、とつぜんの不意打ちにびっくりする。あまりにびっくりして、講義に遅れ気味だったけれど、急ぎ足をやめる。 びくびくは止まらずし…

雑記、

今日も日記を書きたいとおもったから書いてみる。三日坊主という言葉の効用は(誰もが知っているとおり)すさまじいので、今日がさいごの可能性が高い。 すぐさま帰れる日だったけれど、変にそわそわした気持ちだったから、なんとなくそのままでは帰りたくな…

雑記

お昼ごろ、吉祥寺の図書館で「背表紙を眺める会」をしてたらふと、日誌みたいなのを書きたくなって、どうせ続かないとわかっているのだけれど、どんどん書きたくなってたまらなくなったから、雑記という題名で書き始めてしまう。 パソコンの前にかまえてみて…